ディープラーニングって?~人間はAIに支配されるのか~
こんにちは。忍です。
最近流行のホットワード、ディープラーニングについて解説したいと思います。
画像認識などの分野で飛躍的な進歩を遂げ、また、先日は囲碁の世界チャンピオンに勝利したことでも有名になりましたね。
ディープラーニングって?人工知能・機械学習って?
はじめに、ディープラーニングという言葉の意味から理解する必要があります。
ディープラーニングとは、機械学習の一部、そして、機械学習は人工知能の一部の領域を指す言葉です。図であらわすとこんな感じ。
それぞれの言葉の定義は
人工知能:知的な情報処理をおこなうもの、またはその技術
「知的」という言葉がキモです。電卓のような計算処理は知的とは言えませんね。我々が知的と感じるのは、画像に何が映っているのか当てたり、2つの画像を合成したり、人間と会話したり・・・といった機能でしょう。そのような概念的なものを人工知能と呼ぶのです。
機械学習:人間がプログラムを作ることなく、入出力処理を行う人工知能
ここからが難しくなってきます。通常の機械は、人間が作ったプログラムに沿って作動します。プログラマが機械の動作をこと細かく記述しています。
そのため、プログラム以上のことはできない。想定外の状況には対処できないといった、アホな機械ができたりするわけです。
では、機械学習はどのような仕組なのでしょうか。
簡単に言えば「問題と正解のデータを与えて、正解までの道筋は機械に考えさせる」というものです。リンゴをリンゴとして認識させるには、大量のリンゴの写真データをコンピュータに見せて、その特徴を考えさせるのです。
リンゴを見分けるための「コツ」を探してくれるのです。人間の赤ちゃんがお母さんに「これはリンゴ?」と聞きながら学ぶのとおなじですね。
上述した、人間がプログラムを書く場合ですと①赤いか②丸いか③ヘタがあるか・・・などの条件を無限に書かなければなりません。そして、緑色のリンゴが来ると判断できなくなってしまいます笑
では、機械学習がリンゴを認識するとき、どのような処理が行われているのでしょうか。
機械学習とは、機械が勝手に考えるというのが定義で、その中の1手法がディープラーニングです。下に、ディープラーニングで行われているプロセスを記述します(簡単に)
機械に与えるのは画像データです。画像のある点と隣の点の関係を判別します。
「赤い点のとなりは何色か」とはじまり、「赤い点の集まりがあるぞ」そして「赤い点は丸い形を形成している」となります。たくさんの写真を見ることで、赤い丸を形成した状態を認識するようになるのです。人間の赤ちゃんが学んでいく様子と非常に近いものがあります。「リンゴ」とその概念がリンクしていくのです。なんとなくの色、なんとなくの形。YES,NOだけではない判断をできるようになるというのがディープラーニングなのです。
初めは点同士の関係から始まり、最後は赤い丸を認識する。この流れが、徐々に深い階層に入っていくことを「ディープ」と呼ぶのです。深層学習とも呼ばれます。
ディープラーニングにできること
では、そんなディープラーニングが今現在できること、できないことを考えてみましょう。AIは人間から仕事を奪い、人間を支配していくのでしょうか。
みなさんが気付いていないだけで、様々なところに利用されているディープラーニングですが、現時点でできているのは実はただ一つ。「特徴量を見つける」ことだけなのです。
特徴量とは、その名の通り、ものを概念、特徴を表す項目です。画像の認識、翻訳、囲碁の盤面の評価もすべて特徴量であらわされるのです。たくさんのことができるようで、概念を見つけるだけしかできません。
人間は支配されるの?
おそらく何年、何十年経っても、人工知能が人間と同じ本能を獲得することはありません。「人間の愚かさに気付いて、人間を滅亡させる」なんてことはSFの世界でしか起こり得ないのです。(残念)
人間よりも賢いコンピュータはどんどん開発されていくでしょう。しかし、真の意味での創造性を持った人工知能は生まれない。と断言しておきましょう。
善悪の判断はできないのです。人工知能にとって、人間から与えられた答えを導き出す方法を考えるのは得意でも、答えの無い問題を考えることはできないのです。
ただし、「地球上のすべての生物の幸福度を最大にせよ」という問題を与えられたら、「人間の数をゼロにする」という答えがでるかもしれませんね笑
勉強するなら
最近はたくさんの書籍が発行されています。
忍のおススメは下記です。
・グーグルに学ぶディープラーニング
このブログで解説したような、ことばの解説から、社会で利用している人工知能の実例が数多く掲載されており、ざっくりと理解するのに役立ちます。
・人工知能は人間を超えるか
工学書ですが、初心者にもわかりやすく書いてあり、技術的な詳細に興味ある人向けです。人工知能の歴史とともに一気に読めます。これは非常に勉強になります。